キミとの恋の課外授業
村上くんは、しゃがみこみ、高村くんを睨みつけると
右手の握り拳を振り上げようとした。
あっ!殴られる!
そう思った時
「止めとけ。殴るだけ損だ」
省にぃが、村上くんの腕をガシッと掴んでいた。
「あんだよ?先生。一発殴んねぇ~と俺の気がすまないんだけど」
「分かるさ。お前の気持ち。俺もそうだからな。だけど、これでお前が殴ったらお前が不利になる。見てみろ」
省にぃは、そういうと、いつからいたのか、後ろのドアから恐る恐る見ている他の生徒達の姿が見えた。
「なっ、ここでお前が殴ったら、問題になるぞ。お前が損をするだけだ。止めておけ」
省にぃから言われて村上くんは、チッと舌打ちして
握り拳を下げた。