キミとの恋の課外授業

村上くんは、しゃがみこみ、高村くんを睨みつけると


右手の握り拳を振り上げようとした。

あっ!殴られる!

そう思った時


「止めとけ。殴るだけ損だ」


省にぃが、村上くんの腕をガシッと掴んでいた。



「あんだよ?先生。一発殴んねぇ~と俺の気がすまないんだけど」


「分かるさ。お前の気持ち。俺もそうだからな。だけど、これでお前が殴ったらお前が不利になる。見てみろ」


省にぃは、そういうと、いつからいたのか、後ろのドアから恐る恐る見ている他の生徒達の姿が見えた。


「なっ、ここでお前が殴ったら、問題になるぞ。お前が損をするだけだ。止めておけ」


省にぃから言われて村上くんは、チッと舌打ちして


握り拳を下げた。




< 194 / 243 >

この作品をシェア

pagetop