キミとの恋の課外授業

ドーナツショップからの帰り道。

これからデートの恵美と別れて、1人で家へと続く街路樹をボーと眺めながら歩いていると



ふと、頭の中で省にぃの大きな手のぬくもりを思い出していた。



きっと、恵美が変な事を言うからだ。

だから、省にぃの事を思い出していたんだ。



きっと…そうだ。



あたしが省にぃを好きになるなんて事。


きっと、ない。ありえない。



そう何度も自分に言い聞かせながら



街路樹の向こう側に見えるオレンジ色の空に浮かぶ鱗雲を見つめた。


もうすぐしたら本格的な梅雨になるって、テレビでお天気のお姉さんが言ってたっけ?


明日は…雨になるのかな?


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