海の果てに-君は海賊-
ヨクがあたしの頭をクシャクシャに撫で回す。ヨク同様、きっとあたしの頭はボサボサだ。普段なら怒るのだが、今は出来ない。
否、そんな余裕はない。
リ「…ッ、ヨクのくせに」
ヨ「おー。リウは憎まれ口叩いてる方が、良いんだよ」
それは、遠まわしなヨクの優しさ。沈んでいたあたしに、ヨクなりの優しさ。
初めて、ヨクの“男”の部分見た気がして。
高鳴る心臓はどうかしてる。
ヨクが…格好良く見えるなんて、どうかしてる。
リ「~…ッ!!はやく、行くの!馬鹿ヨク!」
ヨ「顔、真っ赤」
~…ッッ!!!!
リ「…るさいッ」
半ば強制的にヨクを黙らせると、あたしは先を歩く3人の隣につくように早足に歩いた。
横でニコニコしているヨクには気づかないフり。
だって…なんだか、悔しい