海の果てに-君は海賊-
そんなあたしの言葉に、そうね…とお婆ちゃんは目を伏せた。
今、お婆ちゃんはどんなことを考えているんだろう。どんなことを思い描いているんだろう。
オ「リウさんは…ミツさんのことをどう思う?」
リ「…………え?」
予想外に紡がれた言葉に、反応が遅れる。その質問にあたしは答えることが出来なかった。
…好きか、と聞かれれば勿論好きだ。嫌いな訳がない。
………けれど、それ以上にあたしは母を憎んだ。
そんな感情があたしの言葉を詰まらせる。
オ「……急な質問だからね。…リウさん、ミツさんは貴方を愛している。それだけは確かだからね」
リ「……ッ」
お母さんが…
あたしを、愛している?
リ「本当、ですか?」
オ「…勿論」
リ「…嘘じゃ、ないですよね…?」
オ「嘘なわけ、ないでしょう」
…それだけで。
たった、それだけで。
心の蟠りがなくなっていく気がした。