Parting tears ~another story~
第六話 恋のライバル
 結麻を送った後、美久を家の前に送る際しばらく話していたのだけれど、今西と隼人は結麻の話題で盛り上がっていた。どうやら今西も結麻のことを絶賛している。けれども、隼人が結麻を真剣に好きなのが分かっているから、ちょっかいを出す心配はなさそうだった。

 俺はその間、美久に結麻の携帯番号を訊こうか訊くまいか悩んでいた。美久は教えてくれるだろうか? 告白されたのは大分前だし美久には今彼氏がいるんだから、俺が誰を好きでも大丈夫じゃないだろうか? それに、今日皆で遊んだのだから、友達として番号を訊いても不自然じゃないと思うけれど……。

 俺は自問自答を繰り返した末、意を決して訊いた。


「美久、結麻ちゃんの携帯番号、教えてくれないか?」


 すると、美久より先に隼人が反応した。


「おいおい和哉、まさかお前も結麻に惚れたとか云うなよ。お前がライバルだったら俺に勝ち目ね~よ」


「ちょっと隼人、皆が隼人みたいに、結麻を好きになると思ったら大間違い! いいよ和哉。今日皆で盛り上がったもんね~。友達になったんだから、結麻の携帯番号教えるね」


 美久がそう云ってくれたお陰で、俺は結麻の携帯番号を知ることが出来た。
 今西は、付き合っている彼女に二股がバレたらしく、携帯で話しながら困った表情を浮かべている。

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