王子様とお姫様の秘密の決断
一人で食べる気にはなれず、カップに紅茶を淹れて自分の部屋に行こうと電気を消そうとして、玄関の扉に鍵が刺さる音がした。

桂子さん帰ってきたのかな?

カップをリビングに置いたまま、電気もそのままに玄関へ向った。

「…あっ」

帰ってきたのは桂子さんではなく、桂子さんの息子杉本だった。

「まだ起きてたのか…」

「あっ…うん」

お互いに目を合わせられずにいる。
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