王子様とお姫様の秘密の決断
「でも…」

「そんな困った顔しないでよ」

「良かったら上がりませんか」

玄関の方を見れば、杉本がこっちへ向かって来るのがはっきりと分かった。

「歓迎されてるのかな俺」

皮肉めいた言葉も、真田先輩なら嫌みに聞こえない。

「随分熱心な事」

挨拶を交わす所か、杉本は最初から嫌みを言う。
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