王子様とお姫様の秘密の決断
まだ誰の足跡もつけられてはいない庭の雪の上を歩く。

振り返れば私の足跡。

一人笑顔になるけれど、玄関前ではもうその笑顔はなかった。

「さくらさん、おはようございます」

玄関前に着くやいなや、小百合さんが中から鍵を開けて出て来てくれた。

「おはよございます」

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