幸福論
学校近くのサイゼリアは、食事時ではないためか、ガラガラにすいていた。
俺たちは、奥の席に座った。
清浦は、ミートスパゲッティを注文した。
俺も、同じものを注文した。

「先生も、お昼食べてなかったんですか?」

「いや、食ったよ。」

「じゃあ、なんでスパゲッティ食べるんですか?」

「男は、若いうちはどれだけでも食べられるんだよ。」

「あぁ、そうなんですか。だから、先生デカイんですね。」

身長のことか。

「まあ、昔からよく食べてたからな。」

「身長、いくつあるんですか?」

「んー、181、2かな。もうちょっと伸びてるかもな。
 清浦はいくつなんだ?」

清浦の顔がこわばる。
やべ、また地雷踏んだかも。

「149.7です。」

いや、㎜単位まで言わなくても。

「そうか。」

お、睨んでる睨んでる。ストロー咥えながら睨んでる。

「でかくなりたいなら、いっぱい食え。そして、牛乳を飲め。」

「牛乳なら、昔から毎日3杯飲んでます。」

やべ、俺、間違えなく地雷踏んだな、今。
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