明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

「どうして…」

「なに?」

俺の声に彼女はグラスをテーブルに戻し視線をこちらに向けて答える。

「どうしてまた戻ってきたんだ?」

「どうして?」

「俺よりも付き合いたいと思った奴がいたからあのとき別れたんだろ?」

「まね、それもあるけど。
なにより龍之介はルックスもいいんだけどなんだかいつも退屈そうな顔してたでしょ?」


そりゃなんの情もない女といたって退屈なだけだ。

会って適当に街をぶらついて食事して抱き合って。

たいした時間つぶしにもならない。



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