明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

「笑ってないとね、
幸せが逃げちゃうんですよ?」

彼女は小さな声で答えた。

「逃げる?」

「そう、
笑った分だけ人は幸せになれるって。
両親が教えてくれたんです」

思い出すように話す彼女。


だから?


ならば俺は甘えているのかもしれない。

結局は
親に、世間に、世界に。



彼女のほうが…ずっと大人だ。


ふっとため息をつく。



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