明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

「でもアタシ…」

「いかがなさいますか?」

「いいと思うよ」

その小さな花のモチーフのバレッタは雨霧によく似合うと思った。


「あの、えっと…」

「じゃ…お願いします」

俺はそう言って財布を取り出す。


「え?そんなの…!」

彼女はびっくりして俺の顔を見る。


なんでもいいから彼女が喜ぶことをしてやりたい、
そう思った。


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