どこかで誰かが…
これは、ある日の深夜に届いた、一通のメールから始まり…
誰にも知らされて無いことだ。


『俺の高校サッカーが終わった』


大沢にとっての“ひとつの夢”が絶たれたことを意味する突然のメールに、ひどく動揺する佳菜子。

しかし、

今となっては、どうしてあげれば良いか…何ができるのかが分からず、


『お疲れ様でした。』


とりあえず、何か言葉を返信し、様子をみることに…

すると、

『会いたい』


普段の命令形ではなく、
率直な気持ちが込められた、その一言に、
佳菜子の気持ちは逸る。


それでも、冷静に対処する佳菜子は、

『今さら何?』

大沢の本音を知りたくて、ボタンを押す。


そして瞳を閉じ、携帯電話を胸に当てた時、
掌に通話の着信音が鳴り響いた。


深呼吸をして気持ちを整えてから

「…なに?」

精一杯、冷静を装う佳菜子。

するとそこに、

「キヨに偉そーなこと言っちまったから…夏を突破して、堂々と顔見せてやるつもりだったんだ…」


初めて聞く、か細い声…


そしてそれは、
いつも強気な大沢の、
本当の部分に違いないと、確信するのだった。

< 172 / 433 >

この作品をシェア

pagetop