どこかで誰かが…
大沢の腹部に回された佳菜子の腕…その腕を掴んだ大沢は、

「当たり前だろ!」と、

もう片方の手で自分の部屋のドアを開け、佳菜子の腕をグイッと引いて中へと押し込み、背中でドアを閉めた。


完全に閉じ込められた佳菜子。


「あは、あはははは」

なのに、なぜか笑いだし……

「なんだよ?!」

「そんな一面もあるんだなぁって思って」

「つっ、おちょくってんの?!」

「まさか!ただ、そんな脅かさなくても、私なら別に…いーのに」

「え?」

「別れるって言われてないもん…あんたに今、彼女さえいなければ…だけど。」

「…いるわけねーじゃん…そんなの。」


たまらず佳菜子を抱きしめる大沢だった。


久しぶりの大沢の温もりに、顔を埋める佳菜子。


大沢も、自分を守りたいと言ってくれた佳菜子に、癒されていくのが分かる。


佳菜子が、こんなにも安心できる存在になっていたことを、再確認できたのだ。


こうして、そんな日が、しばらく続いた。


そして…

清瀬に見られたとも知らずに、
その日も、ベッドで寄り添う二人は、


「俺さ、マジで冬まで勝ち進むつもりだったんだ…」

偶然にも、清瀬の話をはじめていたのだった。

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