どこかで誰かが…
バス停に向かって歩いていくと、
見覚えのある服が…


「あれ?」

「もう、タクシーじゃないと。」


それは、さっき別れたはずの清瀬だった。

「この辺、ちょっと不便だろ?」

どうやら、先回りして、片桐を待っていたようだ。


「どしたの?」

「何か聞きたそうだったから。」

「…別に、今じゃなくていーんだけどね。」

「堀口の元カレのこと?」

「あ…そんなことは別に。俺は俺だし。」

「…」

「君は気にする人?」

「…そーでもない。ただ、ソイツとの時より、幸せにしたいって思うよ。」

「そーだな。俺もそーしたい。…そしたら、その元カレも許してくれるかな?」

「と、思います。」

「…例えば、その元カレと君が同じ状況なら?」

「…許すでしょうね。悔しくもあるけど。」

「そっか。覚えとく。」

「…何か知ってるんですか?」

「ん?」

「…いや…あの…親友のフリした…戦友だったんすよ。」

「…」

「あ、元カレのことです。堀口とは合わないと思いながら応援してたんです。両想いなのに話もできずに、見ててもどかしくて…どうせうまくいかないと思ってたんですけどね。」

「…ひとつだけ教えてよ。あまり、いい恋じゃなかったのかな?」

「さぁ…堀口は何も言わないから…誰にも」

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