どこかで誰かが…
「ありがと。なんとなく分かったよ。」

「…なにが?」

「色々と…」

「…」

「それから、やっぱり両親と仲良くなって、帰りが遅くなった時は、堀口家のリビングに泊めてもらえるように頑張った方が良さそうだってこともな。」

「…ふふっ。そん時はうちに来た方がいーかも。」

「…今の言葉忘れるなよ!」

「つか、タクシー拾えって。」

「歩くよ。」

「30分近くかかるよ。」

「余計な金は使いたくないんだ。これから必要になるだろうから。」

「デート代?」

「それに、就活や卒論で、バイトも減るし。」

「うわっ…現実的な…」

「…大人なんで。」

「じゃ、俺はここで…子供なんで。」

「ふっ。」


言うだけ言って、去って行く清瀬の背中を、少しだけ見送った後、片桐はまた、駅に向かい歩きだした。

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