どこかで誰かが…
休日の練習日のこと…

「え?!まだなの?!」

「しっ!」

「あ。…嘘でしょ?…」


練習に参加したゆっこは、着替えの動作が止まってしまうほどに驚いてみせた。


片桐とつきあいはじめて、もう、2ヶ月が過ぎようとしていた。


「この前、初めてちゃんとしたキスした。」

「ちゃんとしたキスね…それはなんとなく想像できるけど、まだ…って、ちょっと意外だわ…」

「人の彼氏、どー見てんのよ?」

「だって…片桐さんって、家族と住んでるの?」

「うん。」

「そっか…」

「高梨さんは一人暮らし?」

「うん。北海道の人だから。」

「だからかぁ。(早いはずだ)」

「なによ?」

「包容力ありそうだなぁっと思って…(いや、会ってその日にって…せっかちか。)」

「逆にさ、大沢くんとは、どうしてたの?」

「ん…あー、共働きで、親が家に居ることがなかったから…」

「うわ〜、羨ましい。」

「は?」

「カズとの時は大変だったもん。両方とも専業主婦でしょ。一度もカズの部屋に入ったこともなかったし。…佳菜子はある?」

「え!ないよ。(有るとは言えないよね、これ…)」

「だから、初めての男の部屋ってヤツに、緊張って言うか興奮って言うか…言っても処女じゃないし、かといって軽く思われたくないじゃん。」

「でも、既にもう、家に行ってるんだよね?」
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