どこかで誰かが…
スキーと違って、ストックの無いボードの扱いに戸惑う佳菜子は、何度も尻もちをつき、その痛さにイジケはじめていた。


片桐は笑いながら、

「はじめは皆そんなもんだよ。」

「私こそスクールに入った方が良いみたい?」

「だーめ!どんなインストラクターか分かんねーだろ。」

「だって、退屈でしょ?」

「全然!逆に、密着度が深まっていい感じ。」

「も〜。そんなことばっか言って…」

「…佳菜がつまんない?」

「え?」

「今からでもスキーにする?もしかの場合に備えて板も持ってきたから俺。」

「…うん!」

「遊びにきてストレスためてちゃしょうがねーもんな!」

(これは経験アリだなぁ…)


それでも、経験豊富な彼氏を、頼もしいと思える佳菜子だった。


こうして、スキーに変更した二人は、さっきと違って、スムーズにリフトへ乗り込んだ。


リフトから下を眺めると、ちょうど、ゆっこと高梨を見つけ、

「ゆっこちゃ〜ん!」

自分を呼ぶ、楽しそうな声の方向に、スキー板を付けた佳菜子達が居ることに驚いている顔を見て、笑いが止まらない佳菜子だった。

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