どこかで誰かが…
「ねーねーねー!」

「なに?どーしたの?」

「今さ、知らない女が清瀬のこと呼び出して、なんか、階段の踊り場で話してるよ!」


ゆっこがトイレから出たところで、清瀬のクラスメイトが騒いでいる。


「えー、どれ?どこ?」


教室へと戻る途中、皆が見る方向に目をやると、
それは佳菜子だった。


「告られてんのかなぁ?」

「えー、モテるっつーのも大変なことだねー。何て言って断るんだろう?」

「違うでしょう。家だって近いのに、わざわざココで告らないよ。」


ハンカチをポケットにしまいながらゆっこが言った言葉に、

「え、あれって、誰?」


これはまだ、佳菜子がパーマをかける前のことだった。


そのあと、部室で佳菜子と会ったゆっこは、

「今日、清瀬と深刻そうに話してたね?」

着替えながらたずねてみた。


「え、あー、うん。ちょっと友達のことで…」

「え?共通の友達?女?」

「…よく解るねぇ!」

「アイツに彼女がいるなんて知ったら、何人の女子が涙流すんだろ?」

「清瀬に彼女はいないよ。」

「え?(女って…女性ってことね。)て言うか、随分清瀬のこと詳しそーだね。幼なじみかなんか?」

「腐れ縁って感じかなぁ。」

「それを幼なじみって言うんじゃないの?」

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