紅龍 ―2―
そんな俺たちに惇さんが気付いたのはすぐの事で、
「何のようだ。」
と少し低い惇さんの声が理事長室の中から聞こえた。
「いえ、少し惇さんに話があったのですが。今は忙しいようで―…待っていたのです。」
それに晃人が丁寧に答える。
こういうのに馴れた奴が居ると本当に助かる。
「そうか。少し待ってろ。」
そう言われて俺たちは少し離れた所で待つことにした。
なんでかって?
これも晃人の提案で、惇さんの客への心遣いと言うものらしい。
いや、本当によくできた奴だ。