愛のため息
「最初は一緒にいるだけで良かった。
でも少しずつ欲が出て。

キスしたら止まらなくなるから我慢してた。

そこにミイが俺との付き合いにすごく慎重になってるって知ったから」




余計に触れちゃいけないって思ってた。それに…



いらっしゃい、と出迎えるだけで。
コーヒーを差し出しただけで。
隣に座るだけで。



泣いてしまうほど喜ぶミイ。




泣いてるのに、幸せだと笑みを浮かべるミイ。




だから俺は。




その笑顔がいつまでも続くように。



その笑顔をずっと見ていられるように。




それだけを思ってーー





『タカちゃん?』




ミイの不安そうな声が聞こえる。




抱きしめてた体を離す。肩に手は置いたまま、ミイの額にそっと口付けた。




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