幼なじみ君と  幼なじみちゃん♪



――――慄梛―――――



磨梛抖が呟いた言葉は聞き取れなかった…
でも、磨梛抖の手は温かくてさっき叩かれたところは違う熱を持つ


「そろそろ行こうか…」

「あぁ、だな…」



さっきは笑いあって話してたけど一気に暗くなる

だって、リビングには2人が来てるんだよね…


「顔色わりぃーけど、大丈夫か…?」

「もう、大丈夫だって言ってるでしょ?
早く行こう!!ねっ?」



磨梛抖の手を引いてリビングに入ると…

















「とっと帰れっていってんだろ!!」

「キミ達って、ホント話し通じないね?
ボクは、彼女の“りつな”を待ってるんだよね~♪ククッ…」

「だから、慄梛ちゃんはアンタなんかの彼女じゃないってば!!」



―あぁ、本当に来てる…
賢くんも、櫟玻くんも、裕也くんも、瑞梨も、愛結ちゃんもそれから…
磨梛抖もわたしなんかの為に…――



「あっ、慄梛じゃん~やっと来たんだね?
今日はお友達と“ただの幼なじみくん”と一緒に遊びに行ってたんだ?楽しかった?ククッ」



憎いほど馬鹿にした様な笑顔浮かべ、
目の前にやって来た…



「か「“撻”でしょ?」


耳元で囁かれる言葉…



「言わなきゃ、どうしようかな~?ククッ」

「さい、てい」

「言うも言わないも自由だよ」

「…ははっ、凄く楽しかったよ?
“タツ”も一緒に行きたかった?」

「おい、慄梛!?」

「磨梛抖も彼女が来てるんだし、わたしのことなんて構ってっちゃダメだよ」



自分で言ってて情けなくなるほど自分の声が
他人の者の様に聞こえた




.
< 179 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop