幼なじみ君と 幼なじみちゃん♪
「谷沂広さん…」
「もう、早くぅお水をかけてあげなきゃ可哀相だよぉ」
――バッシャン―
そう言いながら、バケツに用意された
水をびしょ濡れになって座り込むわたしにまた
かける…逃げたくても逃げる元気もない…
そして、更に冷たい風が吹き考える思考なんて
もうなくなりそうだった
「あっ、これ返してあげるぅ~♪」
投げられたのはわたしのスマホだった…
地面に叩きつけられると同時に待ち受けの画像が映し出された
“磨梛抖と瑞梨と賢くん4人で撮った幸せそうに観覧車前で笑う写メ”
その上から魚糠さんが踏み付けた…
「ゃ…やめて!!!」
気づけば大きな声が出ていた…
「なんだぁ、まだ元気あるじゃん~♪」
スマホの画面は割れ中の基盤さえ見え
電源はもうつかない…
そして、魚糠さんは水が入ったバケツを手に持ち
「可哀相にねぇ?」
――ザッバン―
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