3を3回、2を2回

ヒロミとひろし



予備校で出来た友達。



ニコにとって、それほど嬉しいことはなかった。

午後になり、いつもはあまり頭に入ってこない倫理の授業も、今日はすんなりと受け入れられた。



今ならアリストテレスとだって友達になれる!

浮かれ気分でノートを取り、
休憩時間にはなつみと倫理の先生の方言混じりな癖のある話し言葉について笑いあった。






夕方、
授業が終わり、いつもはあまり寄り付かない自習室へ奈津美と向かい、日が暮れるまで勉強をした。

こんなにモチベーションがあがったのは始めてのことだった。





「じゃぁ、また明日」
「うん、バイバイ」

逆方向の電車に乗るため地下鉄のホームで手を振る二人。

奈津美と別れたあともニコは胸が軽かった。





鼻歌交じりに玄関を開け、部屋に入ってカバンを放る。



ガチャン、


カバンの中から何かが飛び出る音がした。


「やべっ」


いそいそとカバンを拾い上げ、音が鳴った方を見れば携帯電話が落ちていた。




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