嘘つき⑤【-sign-】

「…ねえ？」


天童さんは詰め寄るように、なんとか言ってと、愁哉さんに鋭い声を上げる。その先に決定的な続ける言葉を持たないのか、顔は笑っているけど貼り付けたような笑顔はなんてゆうか、痛々しい。

「君とそんな関係になった事は一度も記憶にない」

部長、口調が普通過ぎますよ。と割って入りたくなるくらい、全く色を変えない瞳は、むしろ君は何を言ってるんだとでも言い出しそうだ。


一瞬、あの時のピアスの話は何だったのとか、思わないでも無かったけど、部長のこの言い切り方を目の当たりにすると、あたしの早とちりだったのかと思えてくる。むしろ、些細な問題のような気がして馬鹿みたい。


もう、読めない。分からな過ぎて、こんなのって。