恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
何かを言いかけて止めた杏子さん。
それにびっくりして、杏子さんをじっと見た。
だって、あたしに記憶がないって事を、なんで杏子さんが……。
藍川にしか言っていない事だし、藍川が第三者に話すなんてまず考えられない。
そんな思いで見つめていると、杏子さんが釘を刺す。
「なんで私がそれを知っているかは聞かないで。これは、あなたと……あるお方との契約。
誰かが口出しする権利なんてない事だわ」
「あるお方……?」
変なヒントを出されてますます困惑していると、そんなあたしを見た杏子さんがふぅっとため息をつく。
「いくら人間の血が混ざっていても、紫貴様は王家の血筋を引く者。
人間との婚姻なんか紫貴様の品位を落とすだけだわ」