恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
やっぱり藍川って王家だったんだ、なんてびっくりしながらも、続いた言葉の方に驚いて思わず聞き返す。
「……え、婚姻? あの、まだあたし高校生なんですけど」
「紫貴様はその気でいらっしゃるんでしょ。
じゃなきゃ、元帥様に真っ向から逆らったりしないはずだもの」
「元帥って……っていうか、藍川がいつ逆らったんですか?」
「元帥様はヴァンパイアをとりまとめていらっしゃる方よ。
王家の血縁者ではないけれど、位の高いヴァンパイア家の方。
紫貴様と同等とまではいかなくても、少なくとも王家の血筋を引かないヴァンパイアには逆らえない方」
ヴァンパイアにも階級みたいのがあるって事なのかな。
王家の血を引くヴァンパイアを社長とした時の、副社長とかそんな感じ?
そんな風に思ったものの……。
自分の頭の中にある図と、ヴァンパイア界の階級は全然違う気がして、呆れて笑いが漏れそうになる。
「その元帥様が、先週わざわざ出向いてヴァンパイア界を仕切る事を頼みにきたのに、紫貴様はそれを断わったのよ」
「……元帥さんが取りまとめてるのに、なんで藍川に……?
ヴァンパイア界では、藍川は異端児だって言ってましたよね?」