恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
授業中の出来事だったけど、その一連の事は、あたしと紫貴の痴話げんかに捕らえられたらしく。
廊下を歩くと突き刺さってくる視線が、それまで以上に痛くなった。
そして、その事件をきっかけに、あたしと紫貴はお互いの気持ちを確認し合って、
紫貴の本当の姿とも向き合えるようになった。
『おじさんは、紫貴の正体知ってるの?』
『知ってる。俺の親父と親しかったから。
おばさんは知らないけど』
『紫貴のお父さんって、ヴァンパイアなんだよね?』
『ああ。それを知っても、おじさんだけは離れていかなかったって言ってた。
だから親父が死んで俺だけ残った時、俺の正体を知ってる自分が引き取らなきゃって、そんな使命感が強かったのかもしれない。
おじさんには親子して甘えてばかりで、本当に悪い事してると思ってる』
『そんな事……』
寂しそうに聞こえて慌てて否定しようとしたけど、紫貴はそんなあたしを見てクスリと笑った。