新アニオタ王子


結局、名前なんて決めれないまま仕事に行くと

生後一ヶ月の小さな子犬が
二匹、ゲージの中で眠っていた。


「能戸、来るのが遅い。」

「店長…、あたし出勤時間より20分も早く着いてます。」

「それより、この犬の種類分かるよな?」

ゲージの中の小犬を見ながら聞いて来る。


種類…?



「えっと…

マルチーズですかね?」

「本当、お前は馬鹿だな。

シーズーって種類だよ。ちゃんと覚えないと客に聞かれた時に嘘教える事になるんだからしっかりしな。」

「すいません…」

「で?名前は考えてきたんだよね?」

「…名前ね?決めてきましたよ。」


怒られるのが嫌で嘘をついた。

「じゃあ教えてくれ。」

「名前、ですよね…?」

「早く言いなさい」


急かされて

焦ったあたしは

つい頭に浮かんだ言葉をそのまま口にした。


「『オタク』って事で どうでしょう?」

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