新アニオタ王子
あたしの口からとんでもない言葉が出たことに気付いたのは
店長の
「はっ?」
っていう言葉を聞いた時だった。
レジに立っていた藤井さんまでもが
あたしを、まるで変人でも見るかのような目で見ていた。
「マユ…、あんたセンスのかけらもないね」
店長の言葉に
あたしは恥ずかしくて赤面した。
「まぁ…別にいいか。」
「えっ?」
「藤井〜シーズーのオスは、オタクって名前に決まったから連絡帳に書いて」
店長に言われて慌てて連絡帳を開く藤井さん。
あたしはゲージの中で眠るオタクに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ごめんねオタク。
あんたはオタクなんかじゃないのに
あたしがそんな最悪な名前つけちゃって…。
ホントにごめんね。
あたしが責任を持ってステキな飼い主に飼ってもらえるように
必ず努力してあげるからね…。
オタクが店に来てこの数日
客はまだ小さいオタクを眺めている。
あたしはそんな客達をハラハラした気持ちで眺めていた。
飼って貰えるのは嬉しい。
だけど、オタクに名前をつけたあたしはオタクに対して親のような気持ちを、抱きはじめていた。