新アニオタ王子
あたしの返事も聞かないで
康史は急いで帰って行った。
よろしくなんかするもんか
‼あたしがオタクを守る。
元旦当日。店はガランと静まり返っていたけれど開店時間からあたしはその最低人間がいつ来ても追い払えるようにレジに立ち、待ち構えていたけど…
元旦早々、動物を買いにくる客なんかいなくて、お昼を過ぎても店には客一人、現れやしない。
「マユちゃん私、先に休憩してもいいかな?」
店内の掃除を軽く済ませた藤井さんが申し訳なさそうに聞く。
「どうぞ」
だって
いつ、その最低人間が来るか分からない状況であたしは休憩になんか行けない。
藤井さんが裏に入って行くのを見届けるとあたしはオタクのゲージの中を覗き込む。
小さな
小さなオタクは
自分より大きなぬいぐるみの上に乗って
気持ち良さそうに眠っている。
可愛いオタク。
あたしが絶対に守ってあげるよ。
「オタク、あんたは何も心配しないで眠ってていいからね」
あたしが優しく微笑むと
突然
「オタクなんて呼ばないでよ」
オタクが喋った⁉
…
そんな事あるわけない。
咄嗟に振り返るとそこには
岡本正寿が立っていた。