アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
部屋に戻って鏡の前に座った。


出会いか……


下田 甲斐 
素敵な人だった。


真っ黒な顔に白い歯
笑顔がさわやかで優しそうで
それから温かそうで……
浩二郎の冷たさとは違う


すっぽり包んでくれそうで…



バルコニー側の窓に黒い影


 でも…私には…


「気がつかなかったら
三月でも凍死するよ。」


窓を開けると
冷たい頬をした恭平が入ってきた。


「寒い・・・・・」


ふてくされたように
恭平が言った。


私は恭平の頬に自分の頬を
くっつけた。

「冷た~い!!」


それから冷たい唇にキスをした。
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