アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「恭平?」



「恵美さんが記憶消したいくらい
いやな思い出でも
俺は忘れないし……
俺はいつだって真剣だからな。」


恵美さんが
茫然としている。



「ごめんなさい…
恭平は純粋なのに私は……
ダメだね……。
だから好きな人に好きって言えないんだね。
自分が
恥ずかしいわ……」


恵美さんは携帯を出した。



「恵美です・・・・・。
今夜 仕事が終わったら
会って下さい。
・・・・はい・・・
待ってます・・・・・。」


携帯を切ってため息をついた。


「私も真剣に向き合うわ。
純粋な気持ちになって
前を向かなきゃ…
恭平に恥ずかしいもん……」



俺は恵美さんを
抱きしめたい衝動にかられた。


 好きな人に 
 好きって言えない……


甲斐先生のことか?



「俺と同じだね・・・」
ついつい声に出してしまった。

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