みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
口紅
あおいはお母さんや家政婦さんに「散歩に出掛けてくる」と言って、宮町邸へ向かった。
気分は出来るだけ強気でいた。
依鶴のことなんかどうだっていい。
あたしは帰りの遅い藤咲さんを連れ戻して、話を聞くんだ。松永さんのことは聞けたのかな。
考えながら早足で歩いていると、あっという間に宮町邸の玄関に立っていた。
「…はい、どなたさま?」
空はもうすっかり暗い。
扉をあけた家政婦さんは、あおいをみて一瞬驚き、そしてすぐ訳を理解したらしく、後ろめたそうな顔をした。
「あおい様――藤咲執事をお迎えにきなされたのですね」
「はい。いらっしゃいますか?」
つられてあおいも敬語で答えていた。
「えぇ…はい。おられます。しかし大事な話と依鶴様に仕切りを立てられ、ずっと奥の部屋におられるのです」
家政婦さんの目は、あおいに深入りをしないでくれと訴えているようだ。
でも、大人しく帰れる訳ない。
「藤咲さんはあたしの執事です。あんまり他所に長居させられない。あたしが呼んでるから出てきてくださいと言ってくれますか?」
あおいは強気に言い張った。