愛し君へ…
第二章


その日の夜、響は俺の家に泊まらせた。

俺の目線の先には、ベッドでぐっすりと眠っている響の姿。



俺はソファから立ち上がり、そっとベッドに近づいた。


俺のベッドには不釣り合いな、小さな身体。
昔と比べて…かなり細くなった。


俺は布団から少しはみ出た手に、そっと触れた。



……ポタッ



響の頬を、一筋の水滴が伝う。
さらに、ポタポタと流れ落ちる。




泣いていたのは、響じゃない。

―――俺だった。




「……っあ…ごめん…

ごめんなっ…響……」




涙は留まる事を知らず、次々に溢れてくる。




「守ってやれなくて……ごめんな…」




こんなに弱くてごめん……
だから今だけ、泣いてもいいかな?


…明日になったら、笑うから。


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