人工的な空の下で
決断
梅田に店舗を構えながらも、すこぶる暇な雑貨屋で商品の整理をしながら考える。

一番最後にユウに会ってから一週間が過ぎた。
【おはよう】や【おやすみ】だけのメールで良いから毎日やろうな。
2人でそう決めたから返事も来ないメールを律儀に送るがユウからの返事は無い。


私もそろそろ気付くべきなのだろう。
いや…切り出してあげるべきなのだろう。
モヤモヤした気持ちの中1日を過ごす。

仕事が終わって帰ってる途中に千夏からメールが入る。
【北尻ムカつくわー。愚痴聞いてー。】
千夏は建設会社の営業事務の仕事をしている。
北尻とは千夏がサポートでついてる営業さんの名前だ。
きっと仕事で何かあったのだろう。

モヤモヤを吹き飛ばすにはおしゃべりが一番!
【ディナー行こうや。】
【じゃあ家で待っててー。今日車やし迎えに行くね。8時には行けるはずだし♪】

私も以前までは千夏のように営業の仕事をしていて時間に追われるように生活をしていた。
あの時は仕事仕事で恋愛して今以上に忙しくなるなら彼氏なんていらない!と思っていて彼氏が出来ても結局直ぐに別れていた。
ふとしたらユウの事を考えてしまっているのは今の暇な環境がそうさせているのか本当に好きになりすぎてしまったのかどちらなんだろう?

はぁーーー…
ユウはどうしたらまた私を好きになってくれるんだろう?
…なんて考えるさっぱりしない自分も嫌い。

【ユウはまだ私の事好き?】
鬱陶しいと思われるような一方通行なメールを入れる。
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