幕末〓冷血の鬼
「知れば迷ひ しなければ迷はぬ 恋の道」


「恋花気に入った句あったか?」


句を見て固まっている私を見て土方さんは冊子を覗き込んできた。


「これは…」


「恋に関係する句ですよね…」


私がそう聞くと土方さんは顔をボッと赤くした。


「恋花、空も暗くなってきたし帰るぞ。」

話題から逃げるように土方さんは私を置いて、早足で行ってしまった。


「土方さん!」


頑張って追いつこうとしたが、土方さんは足が速く差は広がるだけだった。


「ハァ~」


私は、諦めゆっくり屯所に帰ることにした。
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