幕末〓冷血の鬼
(斬られる前に斬らねえと!)


震える手で刀の柄を掴み俺は刀を抜いた。

だが男は俺に勢いよく斬りかかってくる。

俺は、イチかバチかで刀を振り下ろした。

「としにい!!」


だが手を縛られ動けないはずの苗が走って俺と男の間に飛び出した。


「苗!」


俺と男の刀は苗に刺さり苗はそこに崩れ落ちた。


苗が飛び出さなければ俺は、心臓を貫かれていただろう。


「馬鹿な奴だ飛び出して来なかったら斬られなかったものを。」


男はそう言いながらニヤニヤ笑っている。

「……が……しい。」


「あっ?」


「何がおかしいと言ってるんだ!!」


俺は倒れた苗の頭を撫でた。
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