幕末〓冷血の鬼
原田さん達がいなくなると土方さんはフウと息を出した。


「まあ確かにこのボタンは面倒だがな。左之意外の隊士達でも困っている奴がいたしな。だが敵が洋装である以上俺達も着た方が有利に戦えるしな。」


「それは仕様がない事ですよ。それに慣れれば皆、普通に着れるようになると思います。」


「そうだと良いんだが……。恋花、頼みがある。」


「なんですか?。」


土方さんは、少し俯いて黙った後ゆっくり顔を上げて私の顔を見てきた。


「お前にもこの隊服を着てもらいたい。」

「えっ?」


「次の戦では多くの人間が怪我をするだろう。いつもは山崎に手当てを頼んでいたが、山崎はもういねえ。」


土方さんは、そう言いながら寂しそうな顔をした。
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