幕末〓冷血の鬼
「一回しめて外すと、しめやすくなる。少し顔を上げろ。」


土方さんの言うとおり顔を上げると土方さんは手を伸ばし私の一番上のボタンに触れた。


(近い!)


土方さんとの距離が近すぎるせいで、自分でも顔が赤くなってるとわかるくらいに顔が熱い。


そんな私に気づかずに土方さんは器用に私のボタンをしめた。


「ほら、しめたぞ。………て何顔赤くしてやがる?」


「何でもないです!!」


私が慌ててそう言うと私の額に、土方さんは手をあてた。


「………っ!!」


「熱は無いみてえだな。」


「ありませんから大丈夫です!用があるので失礼します!!」


「あっ……おい!」


私は、恥ずかしさのあまり部屋から慌てて出て行った。
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