幕末〓冷血の鬼
「確かに恋花は、大切だ。失いたくねえ。」


「それが恋ですよ。土方さんは恋花さんに恋をしているんです。」


「俺が恋花を好き……」


初めて言葉にして出した言葉は、俺の胸の脈を打たせ、胸をカーと熱くさせた。


「私もお人好しですよね。恋敵であるあなたに、こんなことをするなんて。」


総司は、クスクスと笑っていた。


「何故だ?」


「はい?」


「何故…お前は俺に言ったんだ?」


俺がそう聞くと総司は悲しそうな顔をした。
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