幕末〓冷血の鬼
「守ってほしいからですよ。彼女を…愛している同じ心を持っているあなたに…。私は、恋花さんを守ることが出来ません。この手で愛している人を守ることが出来ません……。だからもうあなたに頼るしか無いのです。」


「わかった。」


俺が短くそう言うと総司は俺の服を掴んだ。


「土方さん、あなたも無事に帰って来ることを願っています。」


「ああ、帰って来るさ。恋花や近藤さん達と一緒にな。」


俺がそう言うと総司は俺の服から手を離した。


「お気をつけて。」


「ああ、行ってくる。」


俺は、そう言うと総司に背を向け奉行所を出た。
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