君のそばに
自分から声をかけて来たくせに、嘉賀くんは何故か黙りこんでしまった。
「…?…何?」
私がもう一度そう言うと、嘉賀くんはやっと口を開いて話し始めた。
「…伍棟が、旅行に誘ってくれた事、…本当に嬉しかったんだ…。」
「え…っ?」
思わぬ内容に私は少しびっくりしてしまった。
「…体育祭の時、あんな形になってしまったから、伍棟に嫌われたかと思って…。」
あんな形って……
…ああ、借り物競争で…皆の前で…嘉賀くんが私に告白したんだ…。
あ、忘れた…。
私、嘉賀くんに告白されてたんだよね…。
そういえば、今、嘉賀くんと2人きり……なんだっけ…。
……どうしよう…。
…何か、変に意識しちゃうよ…。
体育祭での告白劇を思い出し、私の顔は赤面するのと同時に心臓の鼓動も早くなる…。
「……別荘に来ても、あまり話せなくて…。」
そりゃ、そうだよ…。嘉賀くんのことは清水さんががっちりとキープしてたし、
私も避けてたし……。
嘉賀くんはそう言うと、私の方に向き直って真剣な眼差しで言った。
その間にも私の心臓は更にペースを上げた…。
「こんな時に言うのも何だけど、…伍棟の返事を聞かせて欲しい…。」
ペンを握る手が熱い…。
今、私どんな顔してる…?