君のそばに

「で、悩みというのは何ですか?」

私が座るのを確認すると実春はそのままの姿勢で言った。


「…別に、悩みっていうほどのことでもないんだけど…。」

「…もしかして、…千春のことか…?」


実春は私の心を読み取ったかのように、悩みの内容を見事に的中させた。
そのことに私は少し驚きながら隣に座る実春を見てみた。

すると実春は、今度は海ではなく自分の足元を見ていた。


「何で私の悩みが分かったの…?」

実春の様子が少し変わったことに軽く疑問を持ちながら聞いてみると、
実春は先程とは打って変わって重々しい口調で言った。


「……さっき沙矢が千春と話してるのを聞いたんだ…。」

「…あ、そうなんだ。」

ナルホドね。
だから実春は私の悩みをズバリ当てることが出来たんだ。
私ってそんなに分かりやすいのかと心配しちゃったよ。

分かりやすいっていうと何だか単純って言われてるみたいで嫌なんだよね…。


それに聞いてたんなら、話は早い。

実春に何て言おうか考えてたんだけど、わざわざ言わなくてもいいんじゃん。
実春も、もう知ってるなら助言しやすいと思うし。



……なんだけど…。


「………。」

…何か…実春から喋る気配が
無いんですけど…。


ていうか、私の悩みを聞くと言って連れて来たのは実春サンですよね?何に悩んでるか知ってるんだよね??


なのに、何で黙り込むんだろう…。


何かあったのかな…?



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