君のそばに
実春に促されて清水さんのことを話し始めたものの、何だか清水さんと仲良くなれる自信がなくなってきたな…。
何で、ここまでして私は清水さんと仲良くなりたいなんて思うんだろう。
自分でも分からない。
「…オレは、沙矢が清水と仲良くなれるとは思えないな。」
と、私の話を黙って聞いててくれた実春がそう言った。
「何で…?」
「…清水が千春のことを好きなこと知ってたし、千春の好きな奴が沙矢だってことも知ってたから…。
オレが生徒会に入った時、清水に千春のこと色々聞かれたんだ。本当、どーでもいいことでも清水の奴、聞いてくるんだぜ?それも毎日!
だから、いい加減面倒になって"千春の好きな奴は沙矢だ!"って言っちまったんだよ。
千春に好きな奴がいれば、清水も諦めると思ったんだ。
そしたら、あいつ、沙矢を目の敵にするようになって……。」
「……そうなんだ…。」
清水さん、…本当に嘉賀くんのことが好きなんだ…。
「…沙矢が清水と仲良くなれない原因を作ったオレが、こんなこと言うのも何なんだけどさ…。…多分、無理だよ。」
「……そっか…。」
実春はああ言うけど、本当に清水さんと仲良くなることは出来ないのかな…。