君への距離~クリスマスの奇跡~
「杏ちゃん、こっち来て…」


翼は曖昧な表情のまま杏に言った。


「…どしたの?」

杏は不思議そうに尋ねる。

そして机を挟んで向こう側にいる翼のもとに近づいて座る。




あぐらで座っていた翼が座りなおして正座をしたので、杏に緊張が走る。



「杏ちゃん、驚かずに聞いて…」


翼の張りつめた表情に杏は不安になる。


「…良い話?」


「…たぶん、杏ちゃんには悪い話」




「…なに?」





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