裸足で君と。
「…んッ、ァ…」
依の腕が熱が体が、私を追い詰める。

声を殺そうとするのはせめてもの私なりの贖罪なのに、依はそれを簡単に打ち破る。

『…っ、力抜けッ』

淫らな水音が暗い部屋に響く。

長い指が身体を這えば、跳ねる身体を押さえ込むよう依が私を捕える。

私の頭の横についたよりの腕に、熱に浮かされた身体で縋り付けば、無防備に晒された耳に依の声が吹き込まれ、またそれが私をおかしくする。


『ッ春、ーーーーー。』


熱に浮かされた頭では何を言ったかはわからないけど、それは酷く心地良く私の意識をさらった。
< 8 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop