宇宙少女観察記




「お前!!俺が、!俺がどんだけ恐ろしい思いをしたか!!分かってんのか!」



いい大人が半泣きで女子高生にマジ切れなんてどんなに間抜けな姿だろうか。

屈辱だ。


「まぁ、見ていたからな。知っている。」



「はやく言えぇぇ!!!!」



「・・・悪かったな。少々いじめすぎた。」



一瞬、本当に申し訳なさそうな顔をしたそいつは

ゆったりとした足取りで俺のほうへ歩み寄った。


な、なんだ・・・俺の動揺を誘って何かするつもりなのか!?   


次の瞬間

何かされるのかと身構えた俺におとずれたのは

暖かなぬくもりとやわらかさで


拍子ぬけしてしまった俺が抱きしめられていることに気づいたのはもう少し後のことだった

とんとんと背中を叩くリズムに不覚にも落ち着かされる。

「泣くな。青年」


「泣いてねぇ。年下のくせに生意気に…こ、こんなことして。馬鹿にしてんのかお前…」


「照れるな。」


「照れてねぇよばか…全部お前のせいだ。あほ、ぼけ。」


「子供か。」






「た…タメ口はよせ…」






こんな結末で俺の間違っても人には言えない恥ずかしエピソードつきの今日という長い一日は終わった。

誤解を招かないよう

一言だけ言わせてもらうと
俺はMじゃない。

あいつが鬼畜すぎるだけなんだ。
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