黒猫-私は女王-
天宮と伊井田は科捜研を飛び出し、大急ぎで赤い点が点滅していた場所へ向かった。
その場所に着いた時には既に鑑識達が慌ただしく行き来していた。

「鑑識はいつも早いゎね」

「天宮さんッ!感心している場合じゃありませんよ!僕達も現場に急ぎますよ」

今回の事件現場は先程天宮と伊井田の居た『刑務所』の個室で自殺。
自殺者、三瀬隆一。
科捜研に居た時に電話で知らされたのだ。

「うゎッ、僕こーゆーの苦手なんです、、、」

伊井田は今にも泣き出しそうな子供の様な顔をしている。

「さっきまでの勢いは何処へ行ったの?もう、しっかりしてよ」

そう言って伊井田の肩を叩く。

「手首を切ったか。何処から持ってきたのか、缶詰の蓋で切ってる。せっかく掴みかけた尻尾なのに、、、。まぁ、これで三瀬が黒猫の部下だって事が解ったけど」

天宮は遺体の傍らにしゃがみ込み、残念そうに言った。

「それを裏付ける為に黒猫の録音テープを探しましょう。
伊井田は漸く部屋の中に入った。
鑑識が遺体を部屋から出したところで、現場検証を開始した。
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