─ Alice ?─





『言ったよ。僕のことが大好きだって。僕のことを一番に思っているって。ありすは黒兎お兄さんのことアイシテイルよ、って…言ったじゃないか。』




にこにこと微笑みながら、手は私の腕を握り締めていた。



『ね、ありす。君はもうアリスになれたのかな?不思議の国のアリスに。』




黒兎さんの言葉を理解できなかった。



不思議の国のアリスになれたか?
そんなの知るわけない。私の名前は確かにアリスだけれど。



『この国の皆を愛し、受け入れることができた?』






頷けなかった。



私はこの国の住人のことをよく知らない。知らない人たちのことを受け入れることなんてできない。ましてや愛することなんて…




『ねえ、ありす。君はこの国の住人たちのことを理解できているかい?』


「…できていない。」



『受け入れられた?』


「…いいえ。」



『皆を、愛せた?君がこの国で出逢ってきた住人全て。心から愛せたかい?』




「………。」



白兎 シロウサギさん 帽子屋さん ディー&ダム クローバーさん リーフ君たち ダイアさん スペードさん



そしてチェシャ猫。



私は皆を愛せた?受け入れられた?




『住人たちを受け入れられていない君は不思議の国のアリスには相応しくない。でも今、アリスは君なんだよ。どうすればいいと思う?』

< 299 / 397 >

この作品をシェア

pagetop